23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「ちなみに、俺は、ネコ科しか興味ないから、あとは、とことん付き合ってやるよ」

「そうなの?」

「そ、まあ、美弥は分かんなくていいから」

颯が、なぜネコ科しか興味がないのか、分からなくて、キョトンとした私を見ながら、颯は、唇を引き上げた。

「あ、颯、ペンギン」

マゼランペンギンとオウサマペンギンが、雪山と氷を模した展示室の中で、テチテチと動き回っている。その中は、まだ生まれて間もない雛鳥も混ざっている。

「可愛いよね、ペンギン。それに愛情深いし」

「愛情?」

「うん、ペンギンって、お父さんとお母さんが卵を交代で温めて、羽化するまで、卵から決して目を離さずいつも側にいるの。そして無事に卵から雛が、羽化したら、自分が餌をいちど食べてから吐き出して、離乳食みたいに雛鳥に与えるんだって」

「へぇ……知らなかったな」

「もしいつか子供が産まれたら、愛情深く、育ててあげたいなぁ」

一人でに出てしまった言葉に、慌てて口を塞ぐと、颯が隣で、ニヤッと笑う。

「お母さんにしてやろうか?」

「いやっ……えっと、あの」

子供を産んで、お母さんになるってことは、そういうことをしないと、不可能だということ。

男性経験のない、私でも浅く薄い知識だけは、持ち合わせている。耳まで赤くした私を気にも留めずに、颯が、長い指をペンギンに向けた。

「見ろよ、あれ美弥に似てね?」
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