23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
ーーーー大学時代、俺は水泳サークルに所属していた。泳ぎが得意だったのもあるが、泳いでいると、煩わしい全てを一瞬、『忘れること』ができるから。その理由だけで、俺は水泳サークルに入った。
その水泳サークルに、俺が大学二回の時、一つ年下の北沢が、入ってきた。
それまでは、泳ぎが、俺ほど速い奴もいなかったし、安堂不動産の社長の息子の肩書きを持つ俺に対して、本音で付き合ってくれるような友人もいなかった。
北沢だけだった。肩書き関係なしで、何の遠慮もなく、俺と対等に付き合ってくれたのは。
「あーっ!クソッ、負けた」
「颯先輩の奢りっすね」
俺はクロールが専門で、サークル内で1番早かったが、北沢が入って来てからは、1位と2位のタイムは、日々入れ替わるほどに、同じクロール専門の北沢は泳ぎが速かった。
肩で息をしながら、ビニールの黒のスイミングキャップを雑に外すと、北沢が濡れた髪を片手で後ろに流した。
「クソむかつくな」
二回連続タイムを負けた方が、晩飯を奢る約束をしていた。プールサイドから上がり、俺は大の字になる。
「僕、今日焼き鳥希望で」
「酒飲めねぇくせに」
俺は、20歳すぎていたが、一つ年下の北沢は、まだ19歳だった。
「おい、てゆうか、俺とデートしてる場合じゃねぇだろ?」
俺は、北沢の趣味じゃ無いのがわかっていて、人差し指でプールを囲むフェンスの端を指先しする。
北沢が視線だけで、フェンスを一瞥すると、こちらに向けて熱烈な視線を送る、派手な服の茶髪の女が、隣の女に、黄色い声で何かを話しているのが聞こえてくる。
こんなことは一度や二度じゃない。顔の違う女が、日替わりで、北沢を待ってることもザラにあった。
男の俺から見ても、北沢は、整った顔をしていると思う。長身で適度に鍛えられた体に、柔和な態度で、誰からも好かれる奴だった。
その水泳サークルに、俺が大学二回の時、一つ年下の北沢が、入ってきた。
それまでは、泳ぎが、俺ほど速い奴もいなかったし、安堂不動産の社長の息子の肩書きを持つ俺に対して、本音で付き合ってくれるような友人もいなかった。
北沢だけだった。肩書き関係なしで、何の遠慮もなく、俺と対等に付き合ってくれたのは。
「あーっ!クソッ、負けた」
「颯先輩の奢りっすね」
俺はクロールが専門で、サークル内で1番早かったが、北沢が入って来てからは、1位と2位のタイムは、日々入れ替わるほどに、同じクロール専門の北沢は泳ぎが速かった。
肩で息をしながら、ビニールの黒のスイミングキャップを雑に外すと、北沢が濡れた髪を片手で後ろに流した。
「クソむかつくな」
二回連続タイムを負けた方が、晩飯を奢る約束をしていた。プールサイドから上がり、俺は大の字になる。
「僕、今日焼き鳥希望で」
「酒飲めねぇくせに」
俺は、20歳すぎていたが、一つ年下の北沢は、まだ19歳だった。
「おい、てゆうか、俺とデートしてる場合じゃねぇだろ?」
俺は、北沢の趣味じゃ無いのがわかっていて、人差し指でプールを囲むフェンスの端を指先しする。
北沢が視線だけで、フェンスを一瞥すると、こちらに向けて熱烈な視線を送る、派手な服の茶髪の女が、隣の女に、黄色い声で何かを話しているのが聞こえてくる。
こんなことは一度や二度じゃない。顔の違う女が、日替わりで、北沢を待ってることもザラにあった。
男の俺から見ても、北沢は、整った顔をしていると思う。長身で適度に鍛えられた体に、柔和な態度で、誰からも好かれる奴だった。