23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「何よっ、別れて半年も経つのに、まだ写真持ち歩いてるからって馬鹿にしてんのっ?!」

「違っ……」

写真に写っていたのは、紛れもなく、颯と実花子だった。

2人で何処かに出かけた時の写真だろう。颯がプライベートでしか見せない柔らかい表情で実花子と寄り添っていて、2人とも幸せそうに笑っていた。胸はチクンとどころか、ズキズキと針で刺したように痛む。 


ーーーー2人がお似合いすぎて。


「アンタだって、どうせ颯に捨てられるんだからっ」

立ち上がって、まだしゃがみ込んでいる私を見下ろしながら、実花子の綺麗な瞳は、僅かに潤んでるように見えた。

でもそれは、私も同じだった。さっき見た、実花子の隣で笑う、颯の笑顔が、頭から離れない。

ふと、実花子が、再びしゃがみ込むと、私の首筋に触れた。

「えっ……あの……」

実花子は、迷わず、私の首元の絆創膏を思い切り剥がした。
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