23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「大丈夫?」
誰もいない、資料室の内鍵をかけると、千歳は、扉前に並んでいる長机の椅子に、私を座らせた。
千歳も向かいあって座ると、私に紺色のハンカチを差し出した。
「泣いてたの?」
私は、小さく頷いてハンカチを受け取った。口を開けば、溢れそうな涙を、千歳に見せないように、目元にハンカチを強く押し当てた。
「貸して、目腫れる」
千歳は、私の頬に触れると、ハンカチの角で、目尻をそおっと拭って、宥めるように私の頭を撫でた。
「……ありが、と」
「美弥……颯先輩と一緒に暮らしてるのって本当?」
突然聞かれた質問と、颯の事を、颯先輩と呼ぶ千歳に戸惑う。
「え?千歳……くん?」
「颯先輩とは、大学の水泳サークルからの付き合いでさ、颯先輩が、安堂不動産の副社長に就任してすぐに、うちで働いて欲しいって誘われて入社したんだ」
「そう……なんだ」
颯と千歳が知り合いだなんて、こんな偶然あるんだろうか。
「で、美弥?さっきの僕の質問だけど、颯先輩と住んでるの?」
千歳は、私の頬に触れたままだ。
「あの……颯……から聞いたの?」
千歳の綺麗な二重瞼が、一瞬だけ大きくなった。
「颯って呼んでるんだ……てことは、颯先輩が言ってた事は、ホントって事なんだ」
私の知っている千歳と少し違う。声のトーンが少しだけ低くて、表情も固い。
誰もいない、資料室の内鍵をかけると、千歳は、扉前に並んでいる長机の椅子に、私を座らせた。
千歳も向かいあって座ると、私に紺色のハンカチを差し出した。
「泣いてたの?」
私は、小さく頷いてハンカチを受け取った。口を開けば、溢れそうな涙を、千歳に見せないように、目元にハンカチを強く押し当てた。
「貸して、目腫れる」
千歳は、私の頬に触れると、ハンカチの角で、目尻をそおっと拭って、宥めるように私の頭を撫でた。
「……ありが、と」
「美弥……颯先輩と一緒に暮らしてるのって本当?」
突然聞かれた質問と、颯の事を、颯先輩と呼ぶ千歳に戸惑う。
「え?千歳……くん?」
「颯先輩とは、大学の水泳サークルからの付き合いでさ、颯先輩が、安堂不動産の副社長に就任してすぐに、うちで働いて欲しいって誘われて入社したんだ」
「そう……なんだ」
颯と千歳が知り合いだなんて、こんな偶然あるんだろうか。
「で、美弥?さっきの僕の質問だけど、颯先輩と住んでるの?」
千歳は、私の頬に触れたままだ。
「あの……颯……から聞いたの?」
千歳の綺麗な二重瞼が、一瞬だけ大きくなった。
「颯って呼んでるんだ……てことは、颯先輩が言ってた事は、ホントって事なんだ」
私の知っている千歳と少し違う。声のトーンが少しだけ低くて、表情も固い。