23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
突如、少し高めの甘い声が、事務所扉の方から響く。

私が、思わず千歳の胸元を目一杯、押し返すのと、颯に腕を掴まれて、引っ張り上げられるのが、ほぼ同時だった。

「……颯っ」

そのまま、私を抱き抱えるようにした、颯が、鋭い眼差しで、千歳を睨み落とした。

「北沢、お前、俺の女に手出してんじゃねぇよ!それも勤務時間中に、良いご身分だよなっ!」

「颯先輩、言いたいことそれだけですか」

「お前なっ」

「美弥は、颯先輩のオモチャじゃないんで。颯先輩に、振り回されてんの見てられないんですよね」

千歳の見たことない挑発的な態度に、私は、驚いて声が出ない。

「美弥と俺の事に、お前に関係ないから」

颯にグイッと右手を引かれて、事務所を後にしようとする私の左手をすかさず、千歳が、掴んだ。

「っ……千歳くんっ」

「北沢!手離せよ!」

颯が、あいている方の右手で、ついに、千歳の胸ぐらを、強く引き上げた。
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