23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「痛いっ、颯っ」

「喋んな」

颯に、手首をキツく握りしめられたまま、駐車場に着くと、颯に助手席に放り込まれる。

「ベルト締めろよ」

運転席に乗り込んできた、颯に言われるがままシートベルトを閉めた途端、颯の掌が、私の首元に触れた。

颯が、私の首元のナニを見たのか、分かった私が、体を引くより先に、颯が、重ねて貼られた絆創膏をビリッと剥がした。

「誰?誰につけられた?」

颯の低い声が車内に響く。

「言えよ」

「……千歳、くん」

舌打ちと共に、颯が、私の顎をグイと引く。

「北沢には、二人で会うなって言ったよな?」

「ライン……見てなかったから……それに」

颯は、切長の瞳で射抜くように私を見ると、言葉の続きを促した。 

「それに?何だよ、言ってみろよ」

「千歳くんは、幼なじみだから」

「そうかよ」

颯の唇が、無理やり、私に押し付けられる。

「ンンッ……やめてっ」

力一杯、颯を突き飛ばした私を見て、颯が、一瞬驚いた顔をした。
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