green mist      ~あなただから~
 れから、毎週月曜日は、フロワーではおじいさんとお話しする。手入れが終わる頃になると良介が来て、鉢や鞄持ちを手伝ってくれる。その後ベンチで、タブレットを使い文字や数字の練習をするようになった。

 何故か弁護士の彼も来る。良介にローマ字の一覧表を渡したり、宿題を見ている事もある。そして、あたりさわりのない話題だが、彼と話しをするようになった。彼にとったら、私との話なんて時間の無駄なんだろうが…… きっと良介の事が気になるんだと思う。


「良介は、LDなんじゃないだろうか?」

 彼が、少し躊躇しながら言った。

「LD?」

「学習障害です。僕も詳しい事は分からないけど、読み書きが極端に上手く出来ない事があるらしいです」


「それなら、親御さんや先生に伝えた方がいいのでは? いじめられているみたいだし……」

「そうなんですが、僕たちは医者や専門家ではないので、障害だと簡単に口には出来ません。でも、いじめの事は伝えた方がいいと思っていましたが、先日、お友達と仲よさそうに登校している姿を見たものですから……」


「良介君も、あれからお友達の事は話しません。難しいですね。私に力になれる事はないのでしょうか?」


「へっ? もう十分、力になっているじゃないですか? 」

 彼は不思議そうにこちらに目を向けた。

「時川さんは、十分力になっているのは分かりますが…… 私の方が、良介君に手伝ってもらっているようなものですから……」


「僕なんかなにもしていませんよ。水野さんが助けてくれた事が嬉しかったのだと思いますよ。それに、あなたを手伝う事で、自分に出来る事があると思えているのではないでしょうか?」

「うーん。そうですかね?」

 首を傾げるしかなかった。 
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