green mist      ~あなただから~
 以外にも空気を変えてくれたのは、タクシーの運転手だった。

「色々考えずに、二人で遊びにでも行ってみたらどうですか?」

 その言葉にハットした。

 そうだ。もしかしたら、単純な事なのじゃないだろうか?
 
 このまま、終わっては大人気ない……


「明日は、お休みですよね」

 イチかバチか、運転手の言葉に乗っかりる事にした。

「はい」

 彼女は、少し驚いたようだ。


 思いの他、彼女が映画を見に行こうと言ってくれた。もう、さっきの苛立ちなど忘れてしまた。こんなに胸の鼓動は高まったのはいつぶりだろうか?



「良かったですね」

 彼女がタクシーから降りると、運転手が言った。

「ええ、まあ……」

 にやけそうな顔を、さり気なく手で押さえた。


「可愛らしい方ですから、まごまごしていると何処かに行ってしまいますよ。心配なら心配。他の男と飲んでほしくないなら、ちゃんと言わないと、相手には通じませんからね」

 なんで、運転手にそんな事を言われなきゃないと思うが、俺の本音をついている。


「そうですね……」

「そうですよ。年が離れているようですが、私から見たら、お客さんの方が子供でしたよ」

 大きなお世話だが、その通りだ。

「どうしてだろうか?」


「どうしてでしょうね。お客さんにその気がないなら、僕が声をかけちゃいますよ」

 何?
 この運転手、クビにしてやろうか!


 家に帰るが、スマホが気になって仕方ない。シャワーを浴びてても、耳をすませる。

 やっと鳴ったスマホは、電話でなくショートメールだった。がっかりしたような、彼女らしいような。


 さて、明日は映画を見たあとは、どうしようか?

 夕食の予定まで、色々なプランを立ててみる。

 彼女は、何の映画をみるつもりだろう? 最近話題のラブロマンスだろうか? まあいい、一緒に見られるのなら。

< 38 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop