green mist      ~あなただから~
 ~真央~

 彼女のあどけない顔を見つめていた。柔らかくてい白い肌……
 彼女の顔が、だんだんと泣き顔に変わっていくところで、はっと目が覚めた。

「真央さん!」

 俺の一番好きな声が響いたと同時に、彼女の顔が目に入ってきた。

 確かマンションで……
 香音の気配がして、リビングに向かった事は覚えているが……

「ああ…… ここは?」

 「倒れたんですよ! 過労です。無理しすぎたんですよ……」

 今にも泣きそうな顔を、必死にこらえているようだ。夢の中の泣き顔を重なり、香音の頬に手を伸ばした。やわらい頬から、彼女の熱が伝わりほっとする。

「ごめん…… 大丈夫だよ」

 こんな顔にさせてしまって、情けない。びっくりしただろうな…… ぎゅっと抱きしめようと手を伸ばしたのに。

「おーい。どうせ、徹夜が続いていたんだろ?」

 はあ? 聞きおぼえのある声が、俺の手を止めた。邪魔しやがって!


「ああ? なんで矢沢がいるんだ?」

 慌てた彼女が事務所に連絡したら、矢沢が居たらしい……


 矢沢が事務所に入ってくれる事は、正直かなり助かる。できれば、もっと早く来て欲しかった。俺が倒れる前に……

 だが、矢沢がこの状況を知っているという事は、嫌な予感しかしない。
 頭を抱えた時だ。


「真央! 倒れたって本当なの!」

 いきなり病室のドアが開いた。あまり聞きたくない声だ。やっぱり嫌な予感は当たった。


 なんやかんやと騒ぎ出したので、布団を被って寝たふりをしようと思ったが、彼女を面倒くさい事には巻き込みたくない。
時期を見て、両親にはきちんと香音の事は話すつもりでいたが、今はタイミングが良くない気がする。

 なんやかんやとあったが、彼女をなんと帰す事が出来てほっとする。でも、本当は彼女ともっとちゃんと話がしたかった。
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