green mist      ~あなただから~
 「真央。可愛い子じゃないか? お前も、やる事はやっておるんだな」

 おやじのニヤニヤした顔が、彼女の去ったドアを恨めしそうに見ている。時々、この人は本当に弁護士なのかと疑いたくなる。

「あなた! ニヤニヤしないの。それより真央。だいぶ若いお嬢さんじゃないの? 仕事は何をしている方なの?」

 あまり麗しくない母親の声だ。
 今、色々話しても納得なんて出来ないないだろう…… どうせ、自分で調べるのだろうし。ここで俺が騒げば、余計に事を混乱させるだけだ。


「少し、休ませてくれ」

 俺は、疲れたように目を閉じた。

「そうだな、しっかり休め」

 おやじの心配そうな声がするが、母は何も言わなかった…… 面倒くさい事になりそうだ。


「そうだな、俺も帰るよ。取り合えず明日の段取りは、秘書と打ち合わせてなんとかしておくから仕事の事は心配するな。まあ、色々ありそうだが、休んでおけよ」

 矢沢が会社に来てくれて、仕事は楽になりそうだが、他の問題が増えたようだ……
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