green mist ~あなただから~
確かに一人で抱える事ではないかもしれない。でも、彼の母に言われた事を話したら、両親との関係に問題が起きたりしないだろうか? 同じ事務所で働いいるのに、業務に支障が出たらどうしよう……
「僕は、そんなに頼りない?」
「そんな事あるわけないじゃないですか!」
「それなら、ちゃんと話して」
彼は、大きな手を私の頭に乗せた。
私は、小さくため息をつくと、覚悟を決めた。
「どうして分かるんですか?」
「どうしてかな? 香音をずっと見ているからかな?」
恥ずかしくて、顔が熱くなってきた。
「忙しくて、私の顔なんて見てなかったじゃないですか?」
「あっ、やっぱり怒ってる? これからは、ちゃんと時間作るから。それより、母さんだろ?」
「あっ…… まあ……」
「何て言われた? 別れろとか?」
「そんなような事です。でも、お母さんに言われた事、全てが間違っている訳じゃないんです。私、真央さんの仕事の事、全然分からないし、役にも立てないし…… それに、真央さん倒れちゃうし……」
「はあ…… 香音。何で僕が香音の事を好きになったと思う? 仕事の役に立つからだと思った?」
「まさか。法律用語も宇宙語も区別がつきませんから。でも、どうして、私なんかを選んでくれたのかは分かりません?」
「だからかもね…… 自分の当たり前が、当たり前おじゃない事が、俺にとっては救われるんだ。香音だから好きになったんだよ。それに、倒れたのは、香音のせいじゃない。僕もた若い時のように無理は出来ないんだなって思うよ。でもね、傍に誰かが居てくれるっていう安心感があるから、休む事も出来るんだって思った」
「でも…… 正直不安です。お母様、心配だと思うし、怒ってらっしゃると思います……」
「そうだね。でも、僕には母の怒る理由が分からない。香音みたいな、絶対に僕の見方になってくれる女性は他にいないのに…… ただ、母には自分の理想や、こうでなればならない、こうすべきだという、固定観念があるんだろうね。だから、母が認めるのは少し時間がかかるかもしれない。嫌な思いさせてごめん」
彼は、両手でそっと私の頬を包んだ。
「はい。私は大丈夫です。でも、一つだけ約束して下さい……」
視線を下に向けた……