2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
次の日、富士野部長は急に日帰り出張へ行かされた。
いつもは電話でしかやりとりしていない、小さな取引先なので、嫌がらせに他ならない。

「証拠……」

今日もお昼は誰もいない、備品倉庫で食べる。
社内はどこにいても空気が悪かった。
せめてランチくらい人目のないところ、と探してきたのがここだった。

「いつもお世話になっております」

話し声が聞こえ来て、びくりと箸が止まる。

「はい。
上手くいっております。
もうまもなくかと」

……まさか。

そう思いつつ、そろりと棚の陰から声の主を確認する。
そこでは生野課長が、携帯で誰かと話していた。

「はい、はい。
わかりました」

誰もいないと思っているのか、彼は話し続けている。
息を殺し、それに耳をそばだてた。

「では、今日。
それでは」

電話を切り、彼が倉庫を出ていく。
かなり経ってから緊張を解くように、はぁーっと息を吐き出した。

……あれってきっと、花恋さんと会う約束だよね?
携帯を出し、部長に報告のメッセージを送る。
しかし、部長が今日、帰ってくるのはかなり遅いはずだ。
なら。

「……私がやるしかないんだよね」

生野課長のあとをつけて、現場を押さえる。
それしかない。

「よしっ!」

拳をぎゅっと握り、気合いを入れた。
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