可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 融通の利かないコンサルタントの意見を、社員を守るために社長が曲げさせたというストーリー。
 改革プランの成功と社長への信頼を一気に獲得しようと、一石二鳥を狙っている。

 今回に限らず、コンサルティングの仕事はただ、機械的に効率アップを図ればいいというものではない。

 結果的に上層部への反発を生んでしまっては改革の効果は半減、いやマイナスになる。

 社員が納得することではじめて、そのプランはきちんと〝機能〟し〝良い結果〟を生む。

 星川社長はコーヒーカップを置くと、目を細めた。

「いや、策士ですね、橋本さん、その手腕、ぜひ、うちで発揮していただけませんか。もちろん、今、お勤めの会社より良い条件で」

 社長直々のヘッドハントはありがたいけれど……

「今のところ、転職は考えておりませんので」と、わたしはやんわり断り、ソファーから立ち上がった。
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