可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 それからしばらくは色とりどりのタパスを堪能し、コースの最後には、伊勢エビやムール貝がこれでもかと盛りつけられた豪勢なパエリアが運ばれてきた。

 どの料理もとても美味しい。
 でも、ずっと気持ちがそわそわして落ち着かなくて、いつものようにじっくり味わうことができない。

 なんだろう。彼の眼差しのせい、かな?

 今日会ってからずっと、いつも以上に熱っぽい視線を注いでくるから?

 顔が火照ってくる。
 ビールのせいじゃなくて、その視線のせいで。

 宗介さんは半分ほど残っていたビールをぐいっと開け、ふーっと息をつく。
 それでも目線は外さない。

「あの……そんなに見ないでください。恥ずかしいですから」

「きみを前にして、見るなっていうのは無理な話だよ。仕方ないだろう」
 少し首を傾けて、さらに熱い視線を注いでくる。

 ああ、もう、どうしたらいいんだろう。

「橋本さん」
 顔を真っ赤にして俯くわたしに、彼は改まった口調で名前を呼んだ。

「は、はい」
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