このキョーダイ、じつはワケありでして。




『フツー妹のためにそこまでする?なーんか見てると兄妹に思えないっていうか……私からすれば妹じゃなくて女?みたいな。だって顔もマジで似てないの!!』



これが一般論。
否定されてしまうんだ。

私の存在が兄の選択を、兄の人生を。



『過去のこと教えてくれないのもさ~、なんかワケありな感じしない?まあそこ深掘りしようとすると彼の機嫌を損ねちゃうからさすがに言えないけど』



兄のおかげで、兄がいたから私は恵まれていた。


誰よりも誰よりも幸せになってもらいたかったんだ。

素敵な人と結婚をして、兄ちゃんは兄ちゃんの人生を歩いて、私のことなんか考えず心配もかけないように。



『だいったい施設でも親戚にでも預ければよかったじゃない。成海くんって間違った判断はしない人だと思ってたから、ちょっとガッカリ。どんなにイケメンだったとしてもシスコンとかまじキモいわ』



彼に友達はいるのだろうか。


テツだけじゃなくて、たまに会ってお酒を呑んでわいわい騒ぐような友達は。

好きなものを買って、自分の趣味に没頭して、そんな時間は彼にあるのだろうか。


答えなんか、考えるまでもなく私がよく分かっているよ。



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