このキョーダイ、じつはワケありでして。
私のことでなぜこの2人がここまでぶつかり合っているのかが、やっぱり分からない。
天瀬が大切な友達として私のことを思ってくれているのは十分理解している。
困惑する私を助けるようにそこで動いたのは、ずっと黙っていた四宮 成海だった。
「兄弟喧嘩なら他所でやってくれよ」
言葉に出されて納得する。
むしろやっと的確な言葉を出してくれたと、感謝さえしたい。
そう、そうだ。
天瀬と先輩を見ていると、お互いの気持ちを伝え合えないでいる不器用な兄弟にも思えてくるんだ。
「悪いけど、いま解決させるべきキョーダイ喧嘩はおまえらじゃないから」
戸惑うふたりを割って、私の前に立った影。
見下ろしてくる視線をどう受け止めたらいいか分からないから、ぐっと耐えるように逸らす私を。
「…いつから隠すようになったんだよ」
兄はふわりと包み込んだ。