婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました
誰もが言葉を失っていた。ピンと張り詰めた空気の中、一同の視線が三人に集まる。一応は当事者であるわたしも、チラチラと気づかわし気な視線が投げかけられた。
「彼の言う通りだね」
沈黙を破ったのは殿下だった。意外や意外、バベル様の主張を認めたことで、周囲はほっと安堵のため息を吐く。スピカだけが唖然とした表情を浮かべていた。
「殿下! でも……」
「スピカとは学校以外でも会えるのだし、良いだろう?」
殿下に縋りつきながら、スピカはわたしを鋭く睨んだ。眉間に皺を寄せ、顔を真っ赤にした彼女の表情には焦りの色が見える。
スピカに余裕のないその理由――――わたしと殿下の婚約破棄は、未だ成立していなかった。
殿下の浮気現場を目撃してからもう一ヶ月。わたしはいつ王宮に呼び出されるのだろうと、内心ビクビクしていた。
けれど、両親にいつもと違った様子はないし、そういう話が出てくる予兆すらない。
第一、殿下はスピカがいない所では、まるで何事も無かったかのようにわたしに話し掛けてくる。あまりのデリカシーの無さに、わたしはずっとだんまりを決め込んでいるのだけど、彼には感情やモラルというものが欠落しているのではなかろうかと、本気で疑うレベルだ。
「彼の言う通りだね」
沈黙を破ったのは殿下だった。意外や意外、バベル様の主張を認めたことで、周囲はほっと安堵のため息を吐く。スピカだけが唖然とした表情を浮かべていた。
「殿下! でも……」
「スピカとは学校以外でも会えるのだし、良いだろう?」
殿下に縋りつきながら、スピカはわたしを鋭く睨んだ。眉間に皺を寄せ、顔を真っ赤にした彼女の表情には焦りの色が見える。
スピカに余裕のないその理由――――わたしと殿下の婚約破棄は、未だ成立していなかった。
殿下の浮気現場を目撃してからもう一ヶ月。わたしはいつ王宮に呼び出されるのだろうと、内心ビクビクしていた。
けれど、両親にいつもと違った様子はないし、そういう話が出てくる予兆すらない。
第一、殿下はスピカがいない所では、まるで何事も無かったかのようにわたしに話し掛けてくる。あまりのデリカシーの無さに、わたしはずっとだんまりを決め込んでいるのだけど、彼には感情やモラルというものが欠落しているのではなかろうかと、本気で疑うレベルだ。