婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました

「大丈夫か?」


 その時、わたしは唐突に現実に引き戻された。声を掛けてきたのはバベル様で、何やら気まずそうな、申し訳なさそうな表情をしている。


「はい、平気です」

「そうか」


 きっと、先程のスピカたちとのやり取りを気にしてくれているのだろうと察しがついて、わたしは小さく笑う。
 少しずつ、少しずつだけれど、あの日の傷は癒えてきている。『なんで?』って思いが完全に消えるわけでもないけど、仕方が無いって思えるようになってきた。過去は変えられるわけじゃないし。きっと、考えれば考えるほどに疲弊して、二重三重に傷ついて、前に進めないだけだから。


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