婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました
(なにそれ)


 全く身に覚えがないうえ、そんなこと、この男にだけは言われたくない。身体の中心がモヤモヤと熱くなるのを感じていた。


「何度も言うが、君は僕の婚約者だ。君の行動は全て、僕の評価につながる。そのぐらい、ポラリスは弁えていると思ったけど」

「――――――お待ちください。誰が、誰の、婚約者ですって?」

「ポラリス以外いないだろう? もう何年も前に結んだ婚約だっていうのに」


 全身が衝撃で凍り付くようだった。殿下は――――この男は、未だにわたしを『婚約者』と捉えているというのか。なんの弁明も謝罪もせず。一度に親友と婚約者を失ったわたしをほったらかしにしておいて、今頃何を言っているのだろう。


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