婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました
「殿下にはスピカがいるでしょう? 彼女と結婚するものだと思っておりましたが」

「スピカのことは愛しているけど、彼女は王妃の器じゃないよ。何年も妃教育を受けてきた君とは、知識も心構えも全然違う。それに、彼女には国民じゃなくて僕のことを愛してほしいから」

「はぁ⁉」


 今度こそ我慢ができなかった。わたしは思わず立ち上がり、殿下のことを睨みつける。


「じゃぁ、何ですか? スピカにはあなたの愛人として、わたしにはあなたを支える『表の顔』として側に居ろと。そうして一生を終えろと、そう仰るのですか?」

「有体に言えばそうなるかな」


 わたしの憤りを、殿下はサラリと肯定した。


(何よそれ!)


 殿下とスピカの関係を初めて知った時よりも、激しい怒りが身体を焼く。目がちかちかと明滅し、心臓の辺りが痛くて堪らない。わたしは何度も深呼吸を繰り返しながら、眉間に深く皺を刻んだ。


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