やり手CEOはお堅い秘書を手放さない
今までの事業でも十分に忙しかったのに、社長は私に何をさせるつもりなのか。
心中に風が吹き荒れる私と平穏な彼を乗せて車はひた走り、無事にパーティの開始時間前に到着した。
会場には、平服と言えどもきれいな服に身を包んだ招待客が大勢いて、いくつかの小さな輪を作って談笑している。
「みなさん早いですね」
「ああ、それだけマクレガーが注目されてる企業ってことだろう」
やはりマクレガーはコバルトユニオンにとって、さらなる成長を促すことができる企業といえる。
マクレガーの社長令嬢もパーティにくるのか。縁談を進めている彼女が姿を現せば、当然二人は顔を合わせる。
綺麗であろう社長令嬢と笑顔で話す彼を想像すると胸がチクっと痛む。けれど、私はあらゆる感情を無視しないといけない。
あくまでも秘書なのだから。
会場に姿を現した彼のもとには、さっそく人が集まってくる。
コバルトユニオンのCEOというだけでなく、眉目秀麗であり、多くの人の中でも頭一つ出る高身長なのも相まって、どこに行っても彼はとても目立つ存在なのだ。
だから一緒にいる私は、公の場では常に緊張を強いられる。