やり手CEOはお堅い秘書を手放さない
どう思うかな……。
彼がどんな反応をするのか、胸がどきどきしてしまう。
「社長……」
声をかけると店内にあるソファに腰かけていた彼は一瞬目を瞠り、ふとうつむいた。額に手をやったあと、静かに立ち上がる。
「変、ですか?」
「とんでもない。思った通りよく似合うよ。きみは自己評価が低すぎる……もっと自分に自信を持つべきだ」
「……ありがとうございます。肝に銘じます」
受け答えが硬すぎるとくすくす笑うけれど、彼は社長で私は秘書。上下関係が払しょくできないから仕方がない。
「よし、さっそく出かけようか」
「私にこんなに素敵な格好をさせて、どこに行くんですか?」
「特別な場所だ」
物語の中のヒーローのように、彼は私に手を差し出す。
こんな扱いを受けるのは初めてで、まるで夢を見ているような状況にときめきながら、彼の手のひらにそっと指を乗せた。
ショップから出発した車は高速に乗ったのち、一般道をしばらく走って駐車場に入っていった。
広い敷地にヘリポートがあり、ヘリコプターがあるのが見える。
「ここは?」
「今夜はヘリに乗る。きみは俺と一緒に、空から夜景を眺めるんだ」