やり手CEOはお堅い秘書を手放さない
「ありがとうございます。私、ヘリに乗るの初めてなんです」
「ああ、期待してろ」
スタッフに案内され、彼と一緒にヘリに乗れば、眼下に広がる無数の光の美しさに目を奪われた。
「わあ、見てください! すごくきれい! あそこ、観覧車の光ですよ!」
プロペラの回る音が大きくて、自然に声が大きくなる。それでも私の声が届きにくかったのか、彼が身を寄せて顔を近づけてきた。
肌が触れ合いそうなほどに近いのは初めてで、途端に鼓動が激しくなる。
「今、なんて言った?」
「観覧車の光がきれいなんです」
「どこにある?」
「あそこです」
指をさすけれど景色が見えにくかったのか、彼が私の肩をそっと抱きつつ窓に向かって身を乗り出した。
彼の体が密着していることにドキドキして、夜景を眺めるどころではない。
「き、きれいですよね?」
ときめきをごまかすように話しかけると、彼がこちらを見た。
「ああ、きれいだ……ほんとうに美しいと思う」
私の顔をじっと見つめる彼の目がゆっくり近づいてきて、気恥ずかしさに思わず逃げようとすればくいっと肩を引き寄せられ……唇が重なった。
「……っ」