あなたのいない暗闇を、光輝く世界に変えて
お葬式が始まる前に式場に入らせてもらうと、トモは既にお骨となって祭壇にいた。

真っ白い綺麗な四角い袋。

あそこにトモがいる…

そう思うと、ついそちらに手が伸びた…届かないのに…触れないのに…


その時。

「お骨…お抱きになりますか?」

女性の声がして振り向くと、先ほどロビーで案内してくれた人がいた。

「…いいんですか…?」

「えぇ。…ね、リョウ、いいよね?」

隣にいた式場の男性にそう言うと、その人は穏やかに答えた。

「えぇ、もちろん。…少し重いですから、そちらに掛けてお待ちください」

女性に促されて最前列の椅子に座ると、男性があの白い箱を持ってきてくれた。

「どうぞ…知典さんです」

そう言って私の膝の上にそっと置いて、私の手が箱をしっかり抱えるまで待ってくれた。

「お時間はありますから、ごゆっくりお話しください」

男性はそう言うと、私から離れた。

「ありがとう…ございます…」

お礼を言ってから、膝の上の箱をぎゅうっと胸に抱いた。

「トモ…トモ……お帰り……ずっと待ってたよ……これ…指環…ありがとう。一生…大切に持ってるからね…」

流れる涙を気にせず、トモに話しかけた。

箱に入ったトモを抱きながら、指環が光る左手を握る。

きっと今も見てくれてるはずだよね…



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