あなたのいない暗闇を、光輝く世界に変えて
お葬式が始まり、最初は大丈夫だったのだけど、お焼香の後に少し具合が悪くなって、一人でホールをそっと抜け出した。

お香の匂いに気分が悪くなったみたいで、少し休みたくてロビーに向かっているとふらついてしまった。

すると、私を見た先ほどの女性が「大丈夫ですか!?」と駆け寄ってきてくれた。
支えられながら歩き、ソファに座らせてもらった。

「八嶋様、岩倉様のどなたかにお知らせしてきましょうか?」

心配そうにそう言ってくれたから、終わってからでいいのでと前置きし、美知さんに伝えてもらう様にお願いした。

さっき美知さんに聞いたら、フロントの女性(佐伯さんていうらしい)とお式の担当の男性(この人も佐伯さんだった)には私がトモの恋人であることを話してあったそうで、それで気に掛けてくれているのだとわかった。


佐伯さんを改めて見ると、少しお腹が目立っていた。

…赤ちゃんがいるんだ…いいなぁ…

私も…トモの赤ちゃんがほしかったな…

普段は妊婦さんを見ても特に思わなかったのに、今日に限ってそう思ったのが自分でも意外だった。


それから佐伯さんは、温かい麦茶やブランケットを持ってきてくれたり話しかけてくれたりと、美知さんが来るまで私のそばについていてくれてありがたかった。

…体調が悪いせいもあるけど、一人でいると気が滅入りそうだったから…

やっとトモに会えたのに…
ごめんね…トモ…こんな状態で…



少しするとお葬式が終わったらしく、美知さんがロビーに来てくれた。

「凛花ちゃん、大丈夫?顔色悪いね…控え室で横になる?」

「いえ、大丈夫です……うっ…」
美知さんが纏うお香の匂いにまた少し気分が悪くなった。

「どうしたの、気持ち悪いの?」

「はい…最近ちょっと具合が悪い日が続いてて…特に強い匂いがダメで…」
特にここ1か月近くこんな感じだもんね…

「…凛花ちゃん、変なこと聞くけど…生理は順調にきてる?」

「生理…?…あ、そういえば…ここ2、3か月くらい来てないかも…」
…憔悴してたから…体がおかしいのかな…


「ね、もしかして…凛花ちゃん…お腹に…」

「…え?」

「あ…精神的なものによる不順かも知れないけど…でも一度お医者様に診てもらおう?私が一緒について行くから…」

「はい…そうします」

「じゃあ今日はもう休んだ方がいいよね。哲平に送らせなきゃ。ちょっと待ってて」

「はい…ありがとうございます」

また哲平の車に乗せてもらい、式場を後にした。

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