【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
 騙されたって思ったかも知れない。

 弱くて可愛い女が良かったって思ってるかもしれない。

 そんな不安を吞み込んで、言葉を続ける。


「でもあたし、普通の女子高生になりたくて……だから、黙ってた」

「リィナ……」

「でも、迅や圭が痛い目を見てるのに……か弱いままでなんていられないっ! あたしも、迅を守りたいっ!」

 それだけは、どうしても譲れないことだった。


 でも、やっぱり嫌われるんじゃないかという不安はどうしてもあって……。

「……ねぇ……迅は、こんな強い女……嫌い?」

 最後の質問だけは、少しだけ振り返って迅の顔を見た。

 その表情に、少しでも嫌悪の感情が見て取れたらすぐに逸らせるように。


 見えた迅の顔は、まだ驚きの表情。

 でもあたしと目が合うと、その黒に近い焦げ茶の目に確かな意志が宿った。

 真剣な強い眼差しは怒っている様にも見えて、あたしを受け入れてくれるのか突き放そうとしているのか、どちらなのか分からない。

 立ち上がって見下ろしてくる迅を緊張の面持ちで見上げた。


「……嫌いなわけ、あるかよ」

 真剣な眼差しのまま、言葉が降ってくる。
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