【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
「弱かろうが、強かろうが、俺はお前だから好きになったんだ」
「迅っ」

 受け入れてくれるという言葉に、胸が温かくなる。
 そのぬくもりに不安が包まれて、安心に変わった。

 嬉しくて、あたしはちゃんと迅の方を向いて彼の顔を見上げる。
 真っ直ぐ見た真剣な目に、少し興奮の輝きが宿った。

「それに、今のお前を見てたらむしろゾクゾクした。もっと、お前のことが知りたくなった」
「迅……んっ」

 迅の興奮があたしにも移ったようにドキドキし始めたと思ったら、奪うように唇が触れた。

「んっ……ふぁ……」

 迅の舌や唇があたしを食べるように動く。


 こんなときに、こんな場所で、敵の前だっていうのに……。


 そう思うけれど、やめられない。

 あたしも迅の制服の袖を掴んで、酔わされる。

 離れていった顔は熱っぽくて色っぽい。
 きっと、あたしも同じ。


「そういう顔はやっぱ可愛いし……ギャップがたまんねぇ……」

「っ……迅ぅ……」

 本当は強いってことを知っても、可愛いと言ってくれることがとても嬉しい。

 熱っぽい目であたしを見る迅がとてもカッコよくてドキドキと胸の鼓動が止まらない。
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