シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
休日を返上して、義父と共にゴルフコンペに参加していた慧さんがゴルフバックを持って帰宅した。

「ただいま、弥紗」

甘さを滲ませたテノールボイスでお帰りの挨拶。
「お帰りなさい、慧斗さん」

「今日は暑かったんじゃない?」

「まぁな。疲れたよ…」

「お風呂の準備できていますよ」
「サンキュー」

彼は汗を流しにバスルームに消えた。

私は彼が入浴している間に夕食の支度。


今夜の夕食は肉じゃがに豆腐とわかめの味噌汁、カレイの煮つけ、お手製の糠漬けのキュウリに炊き立ての白ご飯。

そして、お義母さんの肉じゃがを並べた。


「今夜も美味しそうだな…」

慧斗さんが糠漬けのキュウリを包丁で切っていると横から手を伸ばしてつまみ食いした。

「弥紗の漬ける糠漬けは美味いな」
「行儀が悪いですよ。慧斗さん」

「お腹ペコペコなんだよ。早く食べよう」


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