シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
「母さん、来てたのか」
慧斗さんは見覚えのあるタッパーの中に入った肉じゃがを見て呟く。

「慧斗さんの方からお義母さんに言って下さい。アポなしでは来ないでって」

「俺も何度も言ってんだけど。母さん訊く耳持たないんだもん」

実の息子の慧斗さんも困っていた。

「実の息子の言う事訊かないんなら、嫁の私の言う事なんて、もっと訊きませんよ」

「でも、弥紗もなかなか意地悪だな。母さんと弥紗の肉じゃが食べ比べろと遠回しに言ってるようだな」

慧斗さんは私の肉じゃがを先に口に運ぶ。そして、お義母さんの肉じゃがを口に運んだ。

「やっぱ、弥紗の方が美味しい。愛がたっぷりと篭ってるから」

「ありがとう」

三年経っても、慧斗さんとの私の仲は甘かった。

「そろそろ排卵日なんだけど…」

「あ…そっか」

慧斗さんとの仲は甘いけど、妊活に関しては消極的な所があった。

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