一期一会。−2−
ー夏祭り当日。
日が沈みかけた夕暮れ時。
私は、時雨に選んでもらった洋服の一つであるワンピースを着て、出発した。
祭りの日は、浴衣を着ていく方が風情あっていいんだけど。
動きやすい格好で行かなくちゃいけないからね。
何せ今日は、プロジェクトが大幅に進む日になるのだから。
ー…どうか、うまくいきますように。
『…って、時間ヤバい!』
いけない、遅刻してしまう。
ダッシュで待ち合わせ場所へ急いだ。
「あ、彩羽」
「…ワンピースかよ」
『頼人!和!やっほー!』
二人は、浴衣姿だった。
いつもの数倍増して輝いてる。
私を目に入れてから、若干残念そうな顔してるけど。
えー、だってこっちの方が動きやすいし。
機能性重視なのですよ、本日は。
いつか、またの機会にでも着るよ。