一期一会。−2−
「彩羽様と仰るのですね」

『…うん』

昼間に会うとキャラが狂う。

“王蝶”の名残で有功に冷たくしてしまう。

「…彩羽、て呼んでいい?」

『いいてますよ』

「…敬語、なし」

『…えっ、…うん』

「刻、て呼んで」

刻は、大きくてダボッとしてるパーカーの袖を口元に添えて萌え袖状態。

いや、可愛いかよ!

刻は、落ち着いているけど、有功はキョロキョロと私の家を目に収めている。

…というか、焼き付けている??

「お、来たな」

「叩き起こしてごめんね〜、刻」

叩き起こしたんかいっ!

「わ〜、集結しちゃったね」

『うん』

味方が6人もいれば、きっと作戦はいい方向に進んでいく気がした。

そして、私プラス3校の話し合いが始まる。

「…僕、ハッカーする。

 古立組の屋敷、調べる」

『ん?は、ハッカー?』

抗争の舞台は、古立組の屋敷。

でかい屋敷をどうやって調べようかと話していたところ、刻がポツリと言った。

  

< 175 / 244 >

この作品をシェア

pagetop