一期一会。−2−
跪く私と、和の視線がぶつかる。

ナイスリアクションだよ、若。

いや、まさか、いるとは思わないよね。

「…中へ、入れ」

辛うじて、演技にノッてくれる和に一礼して中に入った。

パタリ、と襖が閉じられ、私と和は再び向かい合う。

「…お前、本気で、何してんの?」

今日は何の日か知ってる…?と呆れ顔の和に私はやれやれとお手上げのポーズ。

知ってる上で、来てるに決まってるじゃん。

『言ったでしょ、何があっても離れないって。

 迎えに来たんだよ』

出来れば、私と一緒に来てほしい。

…っていうか、来てくれなきゃ帰れないし。

手を差し出して笑うと、和は目を伏せて、そっと首を横に振る。

「…行けないよ。

 俺一人だけ、そっち側には…行けない」

『…どうして?』

和くらい、救われたっていいじゃん。

沢山、苦しんで来たはずなのに。

どうして、共に地獄へ堕ちようとするの?

私の質問に、和は薄く微笑った。

ー…今までで、一番辛そうに。



< 183 / 244 >

この作品をシェア

pagetop