一期一会。−2−
「…希月を、置いていけないんだ」

『…それ、って』

希月…さんは、夏祭りの時に和を回収しに来た人だ。

ドロドロとした感情を煮えたぎらせていた危険人物。

そんな、やばい奴を和は、大切そうに、悲しそうに語る。

「…希月は、悪い奴じゃないんだよ。

 幼い頃に両親に酷い暴力をされて、

 美しい顔が故に、古立組に売られた。

 だから、人を信じられずにいるんだよ。

 …でも、俺の世話係になって、希月は俺を弟みたいに大事にしてくれて。

 人嫌いなのに、俺の側にいてくれたんだ。

 …俺にとって、希月は、兄みたいなもんなんだよ」

和は、本当に、希月さんを愛している。

話を聞いて、名状し難い気持ちに駆られた。

…それが、和にとっての、幸せなの?

誰かを大切にしたい気持ちは痛感する。

…だけど、そのやり方は、正しいとは思えないんだよ。

『和…

「お前、ここまで来て正義気取りのつもり?」

 …っ!』



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