一期一会。−2−
『…愛し方も、愛され方も…。

 そう簡単に、分かることじゃ…ないの』

私も、分からなかった。

自分は、愛されない人間なのだと、思う時もあった。

誰も信じられない、誰にも、心を開けない時もあった。

『…でも、人生をかけて、見つかること、だから…焦らなくてもいいんだよ』

無理に、誰かを縛る必要もない。

支配なんて、…愛とは、言えない。

ゆっくりと、優しく、話しかける。

まるで、小さい子供にするように。

…貴方も、救われない、過去の自分を抱えているんでしょ?

近づく私に、怯えるように後退る彼。

大丈夫だよ、傷つけたりしない。

『…それに、わからないなら、教えてもらえば、いいの』

私は、知らない感情を、皆から教わった。

自分では、気付けない想いが、沢山あることを知った。

喜び、傷つき、楽しさ、嫉妬、愛しさ。

誰かを、信じることで…得られた。

『…貴方には、和が、いるでしょ…?

 …一人じゃ、ないんだよ…』



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