一期一会。−2−



『…この手は、大切な人を守るために、使って』



和を、守るために。

私の笑顔を、視界に映した希月さんは、途端に号哭しだした。

「…っ、うぁあああ!

 ごめん…っ、ごめん!」  

一人で、苦しかったね。

一人で、辛かったね。

一人で、寂しかったね。

私の手を強く握り返して、むせび泣く彼に切なく微笑んだ。

もう、大丈夫だよね…?

どうか、いい方へ、変われますように。

安心して、手の力が、抜けた。

瞼が、重たい。

「…っ、彩羽!」

…ソウ君の、声。

大好きな香りに包まれて、うっすら目を開けた。

…お兄ちゃん?

迎えに、来て、くれたの?

意識が混濁としていた。

見上げると、ソウ君の泣き顔。

あぁ…、私、死んでしまうのかもしれない。

やりたいこと、まだまだいっぱい、あったのにな。

「ごめん…ッ、ごめんな…!

 …巻き込まないって、決めたのに。

 守るって…、誓ったのに!」

ソウ君は、涙脆いから、すぐつられちゃう。

…もう、いいんだよ。

謝らなくて、いいんだよ。



< 194 / 244 >

この作品をシェア

pagetop