一期一会。−2−
声が、音が、段々と遠のいていく。

意識まで、薄れていってしまう。

ふと、俯いて泣いている和と、号泣している希月さんが、目に入って。


…私、やれること全部、やれたかな?


もう、これ以上、堕ちていかないで。


ー…痛みも、苦しみも、これで最後になりますように。


どうか、救われてほしい。


…あぁ、これで終わりなのかな?

私、死んじゃうのかな。
 

だったら、最後くらい…我儘を…許してほしいよ。

震える手を、そっと上げて、ソウ君の頬にふれる。


「…あ、やは?」


『…ぜ、んぶ…許すから。

 もう一回、“お兄ちゃん”って、呼ばせて』
 

ー…ソレだけが、私の、望みだった。



< 196 / 244 >

この作品をシェア

pagetop