干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 急に静まり返った室内で、副社長が一旦みんなを見回した。

「今回の件は、敵からの明らかな攻撃です。その攻撃対象はこのプロジェクト、つまり僕です……。友野さんを巻き込んだのは僕に他ならない」


「そんな……。私が勝手に突っ走ったのがいけなかったんです。大人しくしていれば、あんな写真を取られることもなかった……」

 美琴は瞳が潤んでくるのを感じながら下を向く。

「美琴ちゃん、しょうがないよ。だって、最初にけしかけたのは俺だし……」

 ため息をつきながらそう言った東の横で、内線電話が大きな音を立てて鳴った。

 美琴は、その音にビクッと身体をこわばらせる。


「はい……はい……」」

 東の話す声が室内に響いた。

「システム部から、誰か来て欲しいって。どうする?」

 受話器を持ったまま、東が副社長に声をかける。


「部長と滝山くんで対応をお願いできますか? 第一にメールの削除、第二に発信者の特定……」

「わかりました」

 部長と滝山はすぐに立ち上がると、急ぎ足で部屋を後にした。
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