ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
「社長、浮かない顔ですね」
翌朝、木南青葉は最近、派遣秘書としてやってきた鞠宮来斗に、社長室で、そう声をかけられた。
鞠宮来斗は、まだ新人といっていいくらいの年だが。
なかなかのやり手だと派遣会社からのお墨付きももらっている、すらっとした爽やかなイケメンだ。
「それが、実は昨日の夕方、車で事故を起こしてしまってな」
「なんか今、事故多いですね。
今の季節の夕暮れどき、視界が悪いんですかね?」
と来斗は言う。
「保険会社には、ちゃんと顔を合わせて謝罪してるんだから。
もうあとはこちらでやるので、関わらないほうがいいと言われたんだが。
ちょっと気になっててな」
「相手の方がお怒りなんですか?」
「いや、別に怒ってはなかったが。
真っ青になってたな。
それでちょっと申し訳ない感じがして」
「相手側も車だったんですか?」
「いや、車同士の事故じゃなくて。
俺が車で道に飛び込んだとき、庭先を壊してしまったんだ」