あなたがいるだけで…失われた命と受け継がれた想いを受け止めて…

 男達もそのまま去って行こうとしたが、駆けつけた警察官に取り押さえられてしまった。



 聖龍に手を引かれて歩いて来たヒカルは、ちょっと驚いて茫然としていた。

「ごめんね、驚いたよね? 」
「は…はい…」
「俺は実の父親の血を引いているんだ。兄貴は優しすぎるし、小さい頃は体が弱くてね。俺が護ってあげなくちゃって思ていたから。妹は強かったけど、弟は心臓が弱くていつも発作お起こしていたから尚更守らなくちゃって強がっていたんだ。中学の頃はよく喧嘩もしたよ。おかげで、さっきのような風柄の人とも親しくなって力になってもらっているよ」
「そうだったんですか」
「まぁ、兄貴も弟も、大きくなるにつれて元気になって行ったんだけどね。医者からは長生きできないって、言われていたんだけど。やっぱり、好きな人ができると奇跡が起こるのかもしれないね。兄貴も弟も、好きな人ができたって話していたから」

 好きな人ができると変わるのかもしれない。
 自分も、凛太朗さんを好きになってからちょっとずつ元気になった気がしたから。

「父さんも、昔は心臓弱くて成人するまで生きられないって言われたと言っていたよ。でも、母さんに出会ってから元気になって行ったそうだよ。やっぱり、愛の力ってすごいんだね」

 愛の力…。
 なんで自分は生きているのだろう? って思っていたけど。
 好きな人ができたことで、強くなれたのだろうか?


 夜道を歩きながら、聖龍とヒカルは手を繋いでそのまま家に帰って行った。

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