とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
ドシッと鈍い音が響く。
バランスを崩し、尻もちをついた男は痛そうに腰を擦りながら、
「お、おぼえてろよ!!」
「ちくしょう、痛ぇ…」
未だに脇腹を抑え、蹲っている仲間を抱きかかえ、路地から逃げて行った。
…なんか、思った以上に呆気なかったわね。やりすぎたかな?
まぁ、とりあえずあの女の子が無事でよかった。
そう考えつつ、模造刀を腰に戻し私も、ミリアが待つ通りへの道に向かおうと踵を返す。
すると、
「あなた!すごいわ!!私よりこんなに細いし…というか、女の子みたいな顔立ちなのにすっごく強いのね!!」
物陰に隠れていたのだろうか。
パタパタと、私に駆け寄ってきたのは先程逃げたはずの少女だった。
一部始終を見ていたのか、瞳をキラキラさせて私を見つめている。