とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
アンに別れを告げた私が、ミリアを探そうと人混みに目をやった時。
「……ちょっと待って!フロイド…。実はあなたにお願いがあるの…!」
私の腕をギュッとつかみ、唐突にそんなことを言う彼女に私は目を見開いた。
「お願い…?」
「そう!あなたの剣の腕を見込んで頼みたいのよ!」
アンは、真剣な表情で私を真っ直ぐ見据えている。
「…剣の腕を見込んでって…どういうこと?」
「……実は私の兄…ハロルドって言うんだけど、この街の騎士団に所属してて一応、騎士団の副団長なの」
騎士団と一括りに言っても、城に勤めている騎士たちと街の騎士団では役割が少し違っていた。
城に勤めている騎士たちの多くは貴族出身の者で占められ、主な業務は上流階級の護衛だったり、王都の警備である。
一方、街所属の騎士たちは、平民や下級貴族で占められており、街の治安を守ったり、悪者を捕らえたりと、所謂憲兵や警察のような役割を担っていた。