【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので

 髪を結い上げてもらっているファンヌは、鏡にうつるサシャの顔を見て気づいた。
「あら? もしかして、サシャ……。その顔」
「そうなんです、ファンヌさん……。あ、失礼しました」
 結い上げてようとしていた髪の毛が、はらりと落ちた。サシャはこうやってファンヌの髪型をいろいろといじるのが好きなようで、ファンヌは研究室や工場に向かう前に髪の毛が邪魔にならないようにと結い上げてもらっている。ファンヌが一人で髪を結おうとすると、ただ一つに縛り上げるだけになってしまう。それに、髪質がサラサラしているから、きっちりと結わないとすぐに崩れてしまうのだ。
「ファンヌさんからいただいたお茶を、毎日寝る前に飲んでいたのですが、朝もすっきりと起きられるようになりましたし、何よりもそばかすが薄くなってきているような気がして」
 実際、鏡にうつっているファンヌの顔にあるそばかすの色は薄くなっている。
「よかったわ。お茶がきっとサシャに合ったのね」
「飲みやすいですし、あれなら毎日続けられます」
 最後の一編みを終えたサシャは、鏡の中でにっこりと笑う。
「……はい、できました。どうですか?」
「ありがとう」
 髪の毛の上半分はくるっとお団子にまとめ、残った下半分の髪を三つ編みしてあっや。
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