【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
「あっ……」
屋敷を出ようとしたとき、暗い空からぽつぽつと雨が落ちてきた。今日は朝から天気がぐずついていて、いつ雨が降ってきてもおかしくないような空だった。
ドアフードの下でファンヌは立ち止まる。
このような日は、薬草摘みの者たちも、雨が落ちてくるまでは作業をすすめるが、雨が降ってしまっては薬草が濡れてしまうため、そこで仕事を切り上げる。
「これでは、薬草摘みの方も仕事にはなりませんね」
「そうだな。だが、雨は恵の雨だ。魔法で天気を操ることもできなくはないが……」
「え、そんなことまでできるのですか?」
ファンヌは生活魔法を少ししか使うことができない。彼女は母親のヒルマ似で、備えている魔力も微々たるものなのだ。それに引き換え父親のヘンリッキと兄のハンネスは『国家医療魔術師』であることからわかるように、それなりの魔力を備えている。
だが、わからないのはエルランドだ。ベロテニアの王族だから、という理由で全てを片付けてしまうため、どのような魔法が使えてどれくらいの魔力を備えているのか、詳しくは教えてくれない。
「だけど、こういうことをするなら、問題ないだろう」
エルランドは右手の人差し指で、空中に小さな魔法陣を描いた。魔法陣の最後の線が繋がった時、ぽわっと薄紫色の光が生まれる。光はファンヌの方にふわふわと吸い寄せられるかのようにして近づくと、パンと弾けて彼女を包んだ。
屋敷を出ようとしたとき、暗い空からぽつぽつと雨が落ちてきた。今日は朝から天気がぐずついていて、いつ雨が降ってきてもおかしくないような空だった。
ドアフードの下でファンヌは立ち止まる。
このような日は、薬草摘みの者たちも、雨が落ちてくるまでは作業をすすめるが、雨が降ってしまっては薬草が濡れてしまうため、そこで仕事を切り上げる。
「これでは、薬草摘みの方も仕事にはなりませんね」
「そうだな。だが、雨は恵の雨だ。魔法で天気を操ることもできなくはないが……」
「え、そんなことまでできるのですか?」
ファンヌは生活魔法を少ししか使うことができない。彼女は母親のヒルマ似で、備えている魔力も微々たるものなのだ。それに引き換え父親のヘンリッキと兄のハンネスは『国家医療魔術師』であることからわかるように、それなりの魔力を備えている。
だが、わからないのはエルランドだ。ベロテニアの王族だから、という理由で全てを片付けてしまうため、どのような魔法が使えてどれくらいの魔力を備えているのか、詳しくは教えてくれない。
「だけど、こういうことをするなら、問題ないだろう」
エルランドは右手の人差し指で、空中に小さな魔法陣を描いた。魔法陣の最後の線が繋がった時、ぽわっと薄紫色の光が生まれる。光はファンヌの方にふわふわと吸い寄せられるかのようにして近づくと、パンと弾けて彼女を包んだ。