【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
まだ日が沈みきるまでには時間がある。ファンヌは屋敷の裏庭に足を運んだ。ファンヌが育てている薬草や茶葉が西日を浴びて、風に揺られていた。王宮内の庭で生育させてもらえないかと頼んだが、それはやんわりと断られてしまった。その代わり、工場の方で育てろと命じられる。
ファンヌは工場のように管理された空間で人工的な光によって育てるのではなく、庭園や畑で自然光を浴びる薬草や茶葉を育てたかった。
王宮の考えはとにかく『量産』だった。必要な薬草や茶葉をいかにして効率的に育てられるかが重要だったのだ。
ファンヌは赤い花を咲かせている薬草の前で膝を折る。独特の香りが、鼻腔をくすぐる。
(今日はこれにしよう)
そのときの気分で薬草を摘み、茶葉を摘み、それらを組み合わせて調茶を行う。思った通りの味のお茶もできるときもあれば、想像しなかった味のお茶ができるときもある。効能を優先すれば味が落ちるときもあるし、味を優先すれば効能が落ちるときもある。もちろんどちらもうまくいくときもあれば、失敗するときもある。だが、それが調茶の楽しみ方の一つでもあった。
(今日は、ゆっくり休みたいわ……)
だからその花を摘んだのだ。
太陽がだいぶ西に傾いてきた。あと一時間もしないうちに、外は闇に覆われ始めるだろう。
ファンヌは摘み取った薬草を籠に入れ、小走りで屋敷の中へと戻っていった。
ファンヌは工場のように管理された空間で人工的な光によって育てるのではなく、庭園や畑で自然光を浴びる薬草や茶葉を育てたかった。
王宮の考えはとにかく『量産』だった。必要な薬草や茶葉をいかにして効率的に育てられるかが重要だったのだ。
ファンヌは赤い花を咲かせている薬草の前で膝を折る。独特の香りが、鼻腔をくすぐる。
(今日はこれにしよう)
そのときの気分で薬草を摘み、茶葉を摘み、それらを組み合わせて調茶を行う。思った通りの味のお茶もできるときもあれば、想像しなかった味のお茶ができるときもある。効能を優先すれば味が落ちるときもあるし、味を優先すれば効能が落ちるときもある。もちろんどちらもうまくいくときもあれば、失敗するときもある。だが、それが調茶の楽しみ方の一つでもあった。
(今日は、ゆっくり休みたいわ……)
だからその花を摘んだのだ。
太陽がだいぶ西に傾いてきた。あと一時間もしないうちに、外は闇に覆われ始めるだろう。
ファンヌは摘み取った薬草を籠に入れ、小走りで屋敷の中へと戻っていった。