【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 オスモはその様子をじっと見ている。ファンヌもハンネスから目を逸らすことができない。
「兄さんは、いつから変わってしまったのですか?」
 オスモの問いに国王は答えない。
「あなたはベロテニアを敵に回すおつもりですか? ベロテニアが本気を出したら、この国などすぐに亡びる。何しろ、彼らは獣人の血を引く者たちなのだから」
 そこでオスモは目を伏せた。
 ハンネスが手にしている長剣が光に反射する。
「リヴァス国王。懺悔の時間は必要ですか? 我が主の命令です」
 ハンネスの冷ややかな声が響いた。
「さようなら、リヴァス国王」
 そう言ってハンネスが剣を振り上げた時、すっと動く人影があった。
 先ほどはファンヌを庇い、そして今、父である国王を庇おうとしているのはクラウスだ。
「どうか……。どうか、父の命だけは……」
 クラウスの声は震えていた。ハンネスは、剣の先をクラウスに向けたまま。
「クラウス殿下。そのような行動ができるというのに、妹の気持ちにはどうして心を傾けることができなかったのですか?」
 クラウスは唇を噛みしめただけで、口を開くことはなかった。

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