【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 そんなファンヌの部屋はエルランドの隣の部屋であるにも関わらず、なぜか自室にいるよりも彼の部屋にいる方が多かった。
「う~ん」
 と唸っている今も、エルランドの研究室にいる。
「どうかしたのか?」
 何やら文章を書いていたエルランドが、顔をあげた。
「やはり。こちらの茶葉ではうまくいかないようなのです。どうしてもこちらは気候が涼しくて、そちらに強い茶葉が多いですよね」
「そうだな。本来であれば、リヴァス王国のような温暖な場所で栽培されるのが一般的だ。こちらは、雪も降るくらい寒くなるからな。そのため茶葉が硬くなるし、白茶も多い」
「そのお茶も味があって好きなのですが。ただ、調茶との相性が悪くて……」
「なるほど」
「露店で並んでいる茶葉は、いろんな国の物を扱っているので、そちらから手に入れればいいのですが。やはり量が足りません」
 ファンヌは腕を組んで唸った。やはり茶葉はリヴァス王国産のものが欲しい。
 エルランドは自席から立ち上がると、ファンヌが座っていたソファの方に移動してきた。そして彼女の隣に座る。
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