【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
「ファンヌが『調茶』したお茶だが。師匠に聞いてもやはり評判がいい。できればもっと多くの量を作り、他の者にも与えたいと師匠が言ってた」
「となれば、やはり茶葉の量が圧倒的に足りませんし、これ以上の量産となれば、私一人では無理です。リヴァスのように『製茶』専門の工場を持たないと。ですが、『製茶』って結構大変なんですよ。立ち仕事ですし」
 ああ、とエルランドは大きく頷く。
「『製茶』が大変であることは知っている。君が、彼らを労わっていたことも。だが、ここはリヴァスではなくベロテニアだ。ベロテニアの人間は、獣人の血を引いているからな。それが薄くなったとしても、ゼロになったわけじゃない。リヴァスの者に比べて体力はある」
「つまり、ベロテニアの人たちなら、『製茶』の作業に向いているということですか?」
「そうかもしれない」
 エルランドの話を聞いたファンヌは、やはり唸った。
 というのも、『調茶』や『製茶』にはリヴァス王国の茶葉を使いたいからだ。だが、『製茶』作業に向いている者たちはベロテニアにいる。二つの国の距離は馬車で三十日もかかる。簡単に行き来できるような距離ではない。
「茶葉はリヴァスの物が欲しい。だけど、製茶の人はベロテニアにいる。もう、物理的に無理じゃないですか」
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