とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。
朝から下校まで、ずっとライオネルが婚約者に囁く甘い言葉を有無を言わさず聞かされてきて、限界だった。
ライオネルが幸せになるのはいいのだ。王太子として臣下を祝福する気持ちはある。
しかしあれ程クールだったライオネルが想い人に向ける甘い様子を、ずっと聞かされ続けるのは無理だ。
「まさかこんな風に変わるとは思わなかった……」
「ああ、ハーミリア嬢に対しては相当拗らせてましたからね。やっと素直になってよかったじゃないですか」
「それが、素直すぎてつらいんだ……」
「……わかりました。ではその間はみんなでフォローしましょう」
「頼む、私のためだと思ってくれ」
そっと通信機を外して、しばらく側近としての休暇を与えると書いた手紙をつけ、タックス侯爵家へ送った。
ハーミリアとライオネルは、ラブラブバカップル認定に向けて努力を惜しまなかった。最初の犠牲者が王太子ではあったが、順調に成果を積んでいた。