BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 そもそもなぜジーニアがクラレンスから口づけをされなければならないのか。まったくわからない。クラレンスのことは嫌いではない。むしろ好きだ。目の保養として。それ以上でもそれ以下でもない。シリルとのツーショットはもっと目の保養になる。

「恥ずかしい。ということは、少しは私を意識してくれている、ということだろうか?」

 ――少しだけでなく、かなり意識はしているけれど……。あぁ、助けてお兄さま、ヘレナ……。これは一体、何ルートなの?

 ジーニアが答えられずにいると、部屋の外から騒がしい声が聞こえてきた。ジーニアははっと顔を上げるし、クラレンスは忌々しく「ち」と舌打ちをする。

「相変わらず、シリルはタイミングの悪い男だな」
 と彼が呟いたことにジーニアは気付く。

 ――もしかしてここは、シリル様に感謝すべきところ。

「クラレンス様。王宮魔導士のジュード様をお連れしました」

 ――まさかの、ジュード様。って、え、ミックまでいる……。と、尊い……。

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