BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ――あれ? クラレンス様ってこういうキャラだったのかしら? もっとこう、シリル様とラブラブというか。そんな感じを期待していたのだけれど。

 先ほどからクラレンスの口から出てくるのは、シリルを疎ましく思っているような言葉ばかり。

 ――私としては、クラレンス様とシリル様の絡みを見ることができるだけで、もう充分なのだけれど。

 クラレンスに連れられて部屋に戻る途中、シリルに見つかってしまった。

「クラレンス様。早く執務にお戻りください」

「なんだ。食後の散歩も満足に楽しむこともできないのか」

「ジュード様が研究室にこもりっぱなしで、ジュード様の分の執務もたまっているのです。それをミック殿経由でジュード様に確認していただいたところ、全てクラレンス様の判断にお任せする、という回答をいただきました」

「あのヤロー」

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